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米国とイランは17日、戦闘終結の即時終結などを盛り込んだ14項目の覚書を交わした。覚書の意義を、中東専門家の三菱総研主席研究員、中川浩一氏に聞いた。
今回の合意は中東危機の再燃を一時的に抑え込む政治的妥協に過ぎない。最大の問題は、覚書の履行を支える信頼関係が当事者間に存在しないことだ。海上封鎖解除やホルムズ海峡の安全確保が盛り込まれたが、履行順序や検証方法、違反時の対応は曖昧だ。「極めて脆弱(ぜいじゃく)な合意であり、容易に空文化しかねない」と中川氏は指摘する。
トランプ政権は開戦当初、イランの軍事能力の無力化、核開発能力の阻止、同盟国の安全確保などを掲げた。これらが達成されない中で戦闘終結に向かったのは、ホルムズ海峡を巡るエネルギー安全保障上の懸念からだろう。米国にとり、中東での長期戦は大きな負担だ。覚書は、イラン問題の解決ではなく、中東への関与コストを抑えるための戦略的妥協と見るべきだと中川氏は述べている。
一方、イランは大きな損害を被ったものの、戦略的には敗北していない。「体制存続を確保して核問題の最終決着を先延ばしし、ホルムズ海峡という重要な「戦略資産」を維持したまま制裁緩和と経済再建への道筋を得たのだから、むしろ大きな利益を得たといえる」と中川氏は分析する。
中川氏は、この覚書が中東全体の安定に寄与するかは不透明であり、今後の履行状況を注視する必要があると強調している。産経ニュースでは、引き続き中東情勢を詳報する。